当店で腸セラピーを受けられるお客様の多くが、おなかの張り、おならの増加や・おならのにおいがきついことに悩まれています。
このような方の体の中でいったい何が起こっているのでしょうか。
腸は、食べたものを消化・吸収する場所です。
腸内細菌が食物繊維などを発酵させながら水分を吸収して、体の外に出すための便を作っています。
この便が大腸にとどまる時間が長くなると、水分の吸収がすすんで固い便になります。
逆にとどまる時間が短いと水分量の多い軟便になります。
ところで腸のコントロールはどこでしているかご存知ですか?
実は、腸のコントロールは脳がしているわけではないのです。
腸には約1億個の神経細胞があります。
「第二の脳」と言われる腸管神経のネットワークを持っています。
この腸管神経は、迷走神経を通じて脳とつながっています。
腸内の状態によってその情報が脳へ伝わり、そこから体全体に影響を及ぼしています。
腸管の蠕動運動は、腸管神経がコントロールしているのです。
その指令は、腸管神経と連携している自律神経が出しています。
興奮したり、活動モードになる(交感神経が優位に働く)と、腸管の動きは抑えられます。
リラックスしている(副交感神経が優位になる)と、腸管の働きが活発になります。
ストレスや不規則な生活などで自律神経のバランスが乱れると、腸管の動きを正しくコントロールできなくなってしまいます。
そうなると、悪玉菌を殺菌して抑える力が不十分になり、腸の中にいる悪玉菌の割合が増えるのです。
おなかの張りは、悪玉菌が増えることによるガスの過剰発生が原因です。
その他の原因としては、根菜などの食物繊維の多い食事、便秘、運動不足、呼吸や食事でとりこむ空気の量が多い、などが考えられます。
おならの増加は、腸内の悪玉菌が増え、ガスの量が増えることが原因です。
においも臭くなります。
そのほかの原因としては、便秘、肉やにおいのきついものの食べ過ぎ、早食いなどが考えられます。
腸の中に占める悪玉菌の割合が増えることで、おなかの張りや臭いおならの原因になっているのですが、それなら善玉菌が増えるようにしたらいいのでは・・・と考えますよね。
ここでは善玉菌が育ちやすい食品を紹介します。
おなかの張りやおならのにおいが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。
●水分を引き込んで便を柔らかくする水溶性食物繊維(善玉菌のえさ)
海藻
ごぼう
もち麦
ブロッコリー
●悪玉菌の増殖を抑える発酵食品(善玉菌を活性化する)
みそ
ヨーグルト
なっとう
●乳酸菌を増やしておなかの調子を整えるオリゴ糖(善玉菌を増やす)
バナナ
たまねぎ
はちみつ
●腸の炎症を抑えて善玉菌が増えやすくするEPA・DHA
青魚
鮭
亜麻仁油
※腸が健康な人は、発酵食品や食物繊維を積極的に取り入れて構いませんが、過敏性腸症候群の人は避けるようにしてください。
腸の中から健康になるには、食事だけでなく正しい生活習慣を送るよう気を付けることが大事です。
食後4時間くらいたったときに、腸の中の大掃除が始まります。
このときに、腸管が大きく収縮して、腸内を掃除します。
掃除中、殺菌性のある消化液が悪玉菌を処理して腸内環境を整えています。
ですので、夜遅くにご飯を食べてすぐに寝てしまうと、この掃除ができないので、次の日の腸の働きを悪くしてしまいます。
規則正しい生活、適度な運動と睡眠。
これに加えてマッサージも効果的です。
おなかを優しくもむことで、自律神経の乱れが整い、リラックス効果を高める副交感神経が優位になります。
すると、血管が広がって、血行が良くなり、腸が正常に動きます。
外からの刺激によって腸の蠕動運動が活発になります。
つらいおなかの張り、おならのにおいを気にせずに明るい気持ちで日々過ごせるよう、腸を元気にしていきましょう。