健康な成人男性14人を対象に、「5日間の充足睡眠(8時間睡眠)」と「5日間の睡眠不足(4時間睡眠)」では脳にどのような変化があるか、という実験をしました。(国立精神神経医療研究センターの研究)https://www.ncnp.go.jp/press/press_release130214.html
そして、それぞれの睡眠実験の後、さまざまな表情(恐怖・ニュートラル・幸福の表情)の画像を見せた時、脳活動がどのようになるのかを調べました。
すると、睡眠不足のときには、恐怖や怒りなどの不快な表情を見た時に記憶と情動の制御をつかさどる、扁桃体が過剰に反応することがわかりました。
これはつまり、睡眠時間が短いと、恐怖や怒りなどの不快な表情を見た時に、ネガティブな感情により反応しやすくなるということです。
また、睡眠時間が短いときには幸福な表情を見ても扁桃体の活動には変化が見られなかったそうです。
周りの人のちょっとした言動が気になってしまったり、気にさわっていちいちイラっとするときは、もしかすると睡眠時間が足りていないのかもしれません。
睡眠時間が短いとき、幸福な表情を見ても扁桃体の活動に変化が見られなかったことからは、睡眠不足によって幸福感も薄らいでしまうことがわかります。
睡眠を減らすことで、ちょっとしたことでイライラするだけでなく、幸福感まで消してしまう・・・
つまり、毎日自分の周りに起きることはイライラすることばかりで、何一ついいことがない、ハッピーじゃない!という感情でいっぱいになることです。
これが続くと周りの人間関係をこじらせてしまったり、仕事がうまく運ばなくなったり、鬱っぽくなってしまったりと生活環境の悪化を招きかねません。
このことがわかると、睡眠時間を削ってまでする大切なことって何なのだろう?と思いませんか。
より良い生活、より良い人間関係、より良い仕事をするためにも、睡眠はとても大事なことなのです。